かかりつけ薬剤師・薬局の評価について(中医協・答申)

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本日、中央社会保険医療協議会(第328回)議事次第の答申において、かかりつけ薬剤師・薬局の評価が公開されました。

公開された内容を以下、抜粋致します。

基本的は考え方は、こちらをご覧ください。

Ⅰ.患者が選択したかかりつけ薬剤師が、患者に対して服薬指導の業務を行った場合の評価を新設する。

かかりつけ薬剤師指導料  70点

●算定条件

1.患者の同意の上、かかりつけ薬剤師として服薬指導等の業務を実施した場合に算定する。

2.患者の同意については、患者が選択した保険薬剤師をかかりつけ薬剤師とすることの同意を得ることとし、当該患者の署名付きの同意書を作成した上で保管し、当該患者の薬剤服用歴にその旨を記載する。なお、患者の服用薬について、一元的・継続的な管理を推進する観点から患者1人に対して、1 人の保険薬剤師のみがかかりつけ薬剤師として算定できる。

3.当該指導料は、患者の同意を得た後の次の来局時以降に算定可能とする。

4.当該指導料を算定する保険薬剤師は、以下の要件を満たしている旨を地方厚生局長等に届け出ていること。

①薬剤師として3年以上の薬局勤務経験があり、同一の保険薬局に週 32時間以上勤務しているとともに、当該保険薬局に半年以上在籍していること。

薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得していること。

③医療に係る地域活動の取組に参画していること。(地域の行政機関や関係団体等が主催する講演会、研修会等への参加、講演等の実績)

5. 他の保険薬局及び保険医療機関においても、患者が選択したかかりつけ薬剤師の情報を確認できるよう、手帳等にかかりつけ薬剤師の氏名、勤務先の保険薬局の名称を記載すること。

6.患者に対する服薬指導等の業務はかかりつけ薬剤師が行うことを原則とする。かかりつけ薬剤師以外の保険薬剤師が服薬指導等を行った場合は当該指導料を算定できない。

7.かかりつけ薬剤師は、担当患者に対して、以下の業務を行っていること。

①薬剤服用歴管理指導料に係る業務を実施した上で患者の理解に応じた適切な服薬指導等を行うこと。

②患者が服用中の薬剤等について、患者を含めた関係者が一元的、継続的に確認できるよう、患者の意向を確認した上で手帳を用いて当該指導等の内容を記載すること。

③患者が受診している全ての保険医療機関の情報を把握し、服用している処方薬をはじめ、要指導医薬品及び一般用医薬品(以下「要指導医薬品等」という。)並びに健康食品等について全て把握するとともに、その内容を薬剤服用歴に記載すること。また、当該患者に対して、保険医療機関を受診する場合や他の保険薬局で調剤を受ける場合には、かかりつけ薬剤師を有している旨を明示するよう説明すること。

患者から 24 時間相談に応じる体制をとり、開局時間外の連絡先を伝えるとともに、勤務表を作成して患者に渡すこと。ただし、やむを得ない事由により、かかりつけ薬剤師が開局時間外の問い合わせに応じることができない場合には、あらかじめ患者に対して当該薬局の別の薬剤師が開局時間外の相談等に対応する場合があることを説明するとともに、当該薬剤師の連絡先を患者に伝えることにより、別の薬剤師が対応しても差し支えない。

⑤患者が他の薬局で調剤を受けた場合は、その服用薬等の情報を入手し、薬剤服用歴の記録に記載すること。

⑥調剤後も患者の服薬状況の把握、指導等を行い、その内容を薬剤を処方した保険医にその内容を情報提供し、必要に応じて処方提案すること。
服薬状況の把握の方法は、患者の容態や希望に応じて、定期的に連絡できるようにすること(電話による連絡、患家への訪問、患者の来局時など)。また、服薬期間中に服用中の薬剤に係る重要な情報を知ったときは、患者又はその家族等に対し当該情報を提供し、患者への指導等の内容及び情報提供した内容については薬剤服用歴の記録に記載すること。

⑦継続的な薬学的管理のため、患者に対して、服用中の薬剤等を保険薬局に持参する動機付けのために薬剤等を入れる袋(いわゆるブラウンバッグ)を必要に応じて配布し、その取組の意義等を説明すること。また、患者が薬剤等を持参した場合は服用薬の整理等の薬学的管理を行うこととするが、必要に応じて患家を訪問して服用薬の整理等を行うこと。

8. 薬剤服用歴管理指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料又は在宅患者訪問薬剤管理指導料(当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の投薬が行われた場合を除く。)と同時に算定できないこと。

Ⅱ.かかりつけ薬剤師の業務について、出来高による1.の評価に加えて、包括的な評価も新設する。

かかりつけ薬剤師包括管理料  270点

[包括範囲]
下記以外は包括とする。
(1) 時間外等加算、夜間・休日等加算
(2) 在宅医療に係る点数
(3) 薬剤料
(4) 特定保険医療材料料

●算定条件

1.対象患者は地域包括診療料、地域包括診療加算等の算定対象患者とする。

2.患者の服薬状況等については、薬学的知見に基づき随時把握して、保険医に対して、その都度情報提供するとともに、必要に応じて減薬等の処方提案を実施すること。
なお、情報提供の要否、方法、頻度等については、あらかじめ保険医と相談して合意が得られている場合は、当該合意に基づいた方法等によることで差し支えないこと。

3.「かかりつけ薬剤師指導料」の算定要件の(1)~(7)を満たしていること。

4. 薬剤服用歴管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料又は在宅患者訪問薬剤管理指導料(臨時の投薬が行われた場合を除く。)と同時に算定できないこと。

Ⅲ.基準調剤加算の統合と施設基準の要件も以下のとおりとなります。

なお、特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が90%を超える場合であって、後発医薬品の調剤割合が 30%未満の保険薬局については、基準調剤加算を算定できないことになります。

・基準調剤加算1(12点)と基準調剤加算2(36点)の廃止

・基準調剤加算(32点)但し調剤基本料1を算定している保険薬局のみ加算可能

・一定時間以上の開局
一定時間とは「平日は1日8時間以上、土曜日又は日曜日のいずれかの曜日には一定時間以上開局し、かつ、週 45 時間以上開局していること」を規定

・十分な数の医薬品の備蓄
十分な医薬品の備蓄の基準として、通知において「1200品目以上」と規定

・適切な薬学的管理及び服薬指導を行うにつき必要な体制及び機能が整備されており、患者に対し在宅に係る当該薬局の体制の情報を提供
※「体制及び機能の整備」として、通知において、現行で例示や努力規定とされていた「医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)の登録」、「患者のプライバシーに配慮した構造」を要件とし、「管理薬剤師は5年以上の薬局勤務経験があり、同一の保険薬局に週 32 時間以上勤務しているとともに、当該保険薬局に1年以上在籍していること」、「健康相談又は健康教室を行っている旨の薬局内掲示」を新たに要件として義務付ける。

・当該保険薬局のみ又は当該保険薬局を含んだ連携する近隣の保険薬局において、二十四時間調剤並びに在宅患者に対する薬学的管理及び服薬指導を行うにつき必要な体制が整備されている

・在宅患者に対する薬学的管理及び指導について、実績を有している

・当該地域において、在宅療養の支援に係る診療所又は病院及び訪問看護ステーションとの連携体制が整備されている

・当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者との連携体制が整備されている

・かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準の届出を行っている

・特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が9割を超える場合にあっては、当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した薬剤の使用薬剤の薬価(薬価基準)別表に規定する規格単位ごとに数えた数量(以下「規格単位数量」という。)に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が3割以上であること。

Ⅳ.調剤報酬点数表の一覧等については、現在、薬局内の見やすい場所に掲示することとされているが、薬剤交付窓口等、指導等の際に患者にわかりやすい場所に掲示することを通知において規定すること。

詳細は、厚生労働省 中央社会保険医療協議会のページをご確認下さい。→こちら

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